地積測量図のズレ | 築紡|根來宏典

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2013年5月30日(木)

地積測量図のズレ


地積測量図を過信してはいけないの知ってますか・・・。

地籍測量図とは、役所に登記されているものですが、
実際の境界とはズレがある場合があるのです。

建物の設計を始める時、地籍測量図を入手し、これを元に建物を計画することが多いのですが、
ズレていては困りますね。でも仕方ないのです・・・。

この精度は、作成時期によって異なるようです。
①昭和30年代後半~昭和53年頃は、表題登記に地籍測量図の添付が義務化された時期で、
どこを基準としたかの明記なく、精度の低いものが多いのだとか。

②昭和53年頃から平成5年頃は、どこを基準としたか明示するようになったが、
恒久的な地物との義務はなかったので、それが動いたり、無くなっていたり。

③平成5年以降は、恒久的な地物に基づく座標値や永久境界標の埋設が法制化されたので、
厳密化が進んでいる。

④平成7年以降は、さらに厳格化され、精度の高いものとなっている。

さてさて、これから工事が始まろうとしている住宅があるのですが、
①の年代に地籍測量が行われた建て替えです。
解体前では現況測量もできず、地籍測量図を信じて計画を進めます。
実施設計や見積も終わり、確認申請提出中に解体して、ズレがあるかどうかの判断に。
出来るだけ早く解体できれば良いのですが、仮住まいの期間も長くなりますから・・・。

今朝、その現況測量の立ち合いに行って参りました。
結果のほどは、如何に・・・。

ここをキチンとしておかないと、
後々近隣の方々や、役所や審査機関の中間検査、完了検査時に指摘されたらアウトです。
隣地との離れに余裕がある敷地なら計画変更程度で済みますが、
斜線制限や隣地との離れが厳しい土地だと、それこそ基礎からの作り直しになりますから。
こんなリスクを負いながらは・・・。

本計画では、地積測量図を過信せず、
建主さんにキチンと説明し、ご理解を得て、現況測量をかけました。
もちろん別途測量代金が発生します。
信頼されているんだと実感します。建主さんに感謝。

根來宏典