『練馬の住宅』本日、お引渡しでした。
初めてご夫婦とお会いしたのは、20か月前。
あっと言う間でした。濃密な時間でした。
まだまだ続けたいですが、そういうわけには行きませんね。
残工事があります。和室の「敷居すべり」。厚さ3mmのサクラ材が嵌め込まれます。
これは、私が拘ったため。
まだまだ続けたかったから、ワザと残したわけではありません。
和室の床の間は浮いています。耳(皮)付の吉野杉。
4畳半の和室。小さな住宅ゆえ、床の間を設けるスペースがなかったので床を浮かせました。
天井からは、床柱に見立てた吊材。
空間の設えとの調和を図り太さは0.9寸と細くしました。素材は「錆桜張丸太」。
こんなに真っ直ぐで細い丸太はありません。製材に桜の皮を撒いたもの。
秋田県角館に樺細工という伝統工芸がありますよね。あれと同じ技法です。
艶を出した磨き物もありますが、ここではサビ物を使っています。
床の間にオブジェのように飾られた「手鈎(てかぎ)」。
畳を起こす際に使う道具です。
工務店の営業さんの私物。かなり使い込まれている様子。
営業さんが持ち歩いていることも、直ぐに出てくることも男前。
工務店の社長さんは、めったに褒め言を言わないそうです。
社内検査で、社長はこの現場を褒めちぎったようです。
現場監督も、大工さんも男前な仕事をしてくれましたからね。
設計的なことの褒め言葉は、営業さんの社交辞令として心に留めておきましょう。
とても男前な人たちが集まった工務店でした。多謝。