栃木で採掘される石といえば、大谷石と芦野石がメジャーですが、
深岩石(別名:鹿沼石)という石もあります。
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見た目は大谷石に似ていますが、大谷石の地下掘りに対し、露天掘り。
大谷石に比べ、硬く、吸水率が低い、味噌や穴が少ないといった特徴があります。
その採掘場の風景は、天空の城。
その城に足を踏み入れるのは、簡単なことではありません。
危険なところ、かつ仕事の邪魔をしに行くわけですから、
現地の方々のご理解が必要。
そこに到達するのも一苦労。
ロープを伝って、崖地を登ります。
登りはまだしも、降りるのは、さらに危険度を増します。
振り返ってみると、、、
この崖地を登ってきました。
そして、いよいよ切り出し風景。
チェーンソーで切り目をつけます。
一回だと石が割れてしまうので、大小の刃を使って、二回切り。
そして、矢じめを打ち込み、それを二人が息を合わせて金槌で叩きます。
音が変る瞬間が、矢じめ打ち込み終了の合図。
石を起こすと、美しい青みが露わに。切り出された石の息吹を感じ取る瞬間。
しっとりと水分を含んでおります。
深岩石には、白身と青身があり、こちらは見ての通り青身。
水分が抜けると、だんだん白っぽくなってきます。
乾いた後も、水に濡れると青さが浮かび上がるのも、この石の魅力です。
切り出される石の大きさは、1尺角×3尺。これが基本のサイズ。
それを3本まとめてロープで縛り、ワイヤーロープを使って、地上に降ろします。
3本まとめた石の重さは700kgだそうです。
原石から裁断された深岩石。壁貼り用で、乱張りされるそうです。
厚みも1cmずつ異なり、壁面に凹凸を付けた表情に匠に技を感じます。
深岩石という石は、ほとんど知られておりません。プロの人でも。
そもそも、この山(一社)しか存在しない貴重な採掘場。
深岩石に魅了され、こちらの採掘場には何度か足を運ばせていただいております。
産地の方と顔の見える関係を持つことは、その素材に対する理解度はもちろんのこと、愛着度が増し、仕事が益々楽しくなります。
今後、益々大切にお付き合いしていきたいと思っております。
深岩石を使った住宅『土間の広がる家』の事例は、コチラ≫