四半世紀前の建主（亡き師の妹）さんからの贈り物。師の実家が福島県の棚倉町というところにあり、その住まいの設計を担当させていただきましまた。妹さんというより、ご両親のために計画された住まい。そのご両親が亡くなり、兄（師のこと）も亡くなり、その住まいを持て余すようになったので、3年前に別の方に引き渡しました。師は自分が亡くなったら、そうするようにと言い残していたそうです。

次の方は、そこでお蕎麦屋さんをやりたいと。できるだけいじらず、そのまま使ってくれるとのこと。とても素敵な方の手に渡ったそうです。蕎麦焼酎もつくっています。毎年、妹さんがその方がつくられたお蕎麦や焼酎を送ってくれます。妹さんと先日の回顧展でお会いしました。顔を合わすのは四半世紀ぶり。『Tunagi』という名の焼酎。アルコール度数25度と40度。四半世紀前の施主と繋がり、さらにそれを継ぐ方とも繋がっていく。なんとも幸せなことです。