石水院 | 築紡|根來宏典

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2024年7月22日(月)

石水院

梅雨が明け、すっかり夏ですね。京都市内からバスに揺られ北西に。栂尾山にある古刹・高山寺に足を運んできました。世界文化遺産に登録され、鳥獣人物戯画、日本最古の茶園としても知られています。山の地形を活かした境内は山寺ならではの趣。国宝に指定されている石水院は、鎌倉初期の寝殿造風住宅。入母屋、杮葺き、蟇股や舟肘木が用いられ、周囲の蔀戸を跳ね上げることによって内外の関係があいまいに。善財童子像が置かれた廂の間は、光と影が交じり合う空間。畳に座って眺める景色は、額縁のように切り取られた青もみじ。紅葉時期も奇麗でしょうね。

 

夏ということで、暑いものは暑いのですが、市内に比べれば穏やか。風通しのよい建築ですので、涼しくも感じます。居心地がよく、しばし縁に腰を掛けて、たたずんでまいりました。蝉の声に耳を傾け、夏の思い出に。