紀州は、会津(福島県)、山中塗・輪島(石川県)とともに日本漆器の三大産地。黒江という街が産地なので、黒江塗とも言います。その起源は室町時代と言われ、江戸時代には1200軒以上の漆器関係者が黒江周辺に住んでいたそうです。
その黒江の街並みがユニーク。土地の形状が平行四辺形の区割りなのです。そこに矩形の建物を建てると、道路との間には三角形の空き地が生まれますね。それが連続した街並みとなっているので「のこぎり歯状の街並み」と呼ばれます。その三角形の空き地には、植木鉢などが置かれています。漆を抽出する際に使われた樽を誇らしげに立てかけ、飾り棚にしているお店も多く、黒江の街並みの特徴に。道路に対しては、紀州連子格子が立ち並び、風情ある街並み。