凛とした空気感 | 築紡|根來宏典

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2022年11月24日(木)

凛とした空気感

谷口吉生さんの設計は凄いですね。大きな面として構成された白壁の上部にはトップライト。その白壁を舐めるように柔らかな光を落とし、視線を奥へと誘導しています。正面にはしっかりとした小壁(ライムストーン貼り)を設けて空間を分節し、その向こうに再び明るい空間が現れるといった光の変化のシークエンスを演出。その明るさは障子に見立てた柔らかな光であり、外界が見えないので、その向こうのシーンにイマジネーションを膨らませてくれます。

 

谷口さんの設計は大胆な空間構成ではありますが、様々な要素を身体感覚に近づけるべく繊細なディテール、狂気なまでに揃えられた素材の目地割り、これら緻密な積み重ねが、凛とした空気感を生み出しています。奇をてらわず、作法をもって構成していく姿勢に共感しています。私が大学を卒業して実務設計をするに当たり、すごく影響を受けた建築家です。