京都市京セラ美術館 | 築紡|根來宏典

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2021年10月15日(金)

京都市京セラ美術館

アトリエ近くで開催中の『モダン建築の京都』展に行ってきました。本館の創建は1933年、現存する最古の公立美術館。建築家の青木淳さんと西澤徹夫さんが手掛けた大規模リノベーション。帝冠様式の重厚な外観はそのまま残し、すり鉢状に下げられた地下部分からアプローチします。ガラス・リボンと呼ばれる透明感ある基壇の上に浮いた様相。対面にはひな壇があり、イベント時の広場にもなる設え。一旦、天井高の低い地下に潜り、階段を上って中央ホールに出る瞬間の開放感は感動すら覚えます。中央ホールの両袖にはバルコニー、螺旋階段、エレベーターが増築され、新しい館内の回遊動線となっています。元来の玄関ホールはそのまま残したり、中庭にはガラス屋根を架けて「光の広間」としたり、新旧混在の構成がユニーク。新館も増築され、本館の外観タイルは昔のまま、新館の外観はGRC(ガラス繊維補強セメント)パネルとし、新旧の調和を感じます。GRCに象嵌されたゴールドチップの表情が、見る向きや天候によって変わる様が美しい。植治によるお庭も美しい。建物内部は東西方向に通り抜けることができ、新しい公共性のあり方も提示されております。これからも市民に愛され続ける建築だと思う。何度も足を運びたくなります。展示会はコチラ≫