レトロな照明たち | 築紡|根來宏典

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2020年6月22日(月)

レトロな照明たち

南禅寺を水路沿いに下り、琵琶湖疎水の水を引き込んで作庭されれた無燐庵の前を通って街中へ。無鄰庵のお話は、コチラ≫

 

こちらは大正15年築の町家をリノベーションした照明屋さん。「おいでやす」の看板が掛かっていたので、ちょっとお邪魔してきました。天井にはたくさんの照明が吊られています。店内には町家らしい風が通り抜け、風鈴の音色にも癒されます。明治、大正、昭和初期の照明が1000種類以上そろっているそうです。壁には大正、昭和初期の照明カタログが貼られております。写真に見えるのですが、時代を考えるとそんなはずはなく、手書きの絵だそうです。図面は青焼き。「どうぞ2階も見て行ってください」というので、興味津々で上がって見ることに。そこには昭和初期の生活模様が香るギャラリーがありました。

 

 

私が気に入った照明を二つほど。ひとつは真鍮フレームに青いガラスのペンダント。オパールセントガラスといって、19世紀末に宝石商ティファニーによって開発されたガラス。同じデザインで乳白色のものがあり、夏場は涼しげなこの青いものに吊るし変えたのだそうです。当時の照明器具は高価なものだったでしょうから、季節によって吊り替えたということは、お金持ちのお宅か洋館で使われていたんでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

もうひとつは黒鉄のプレームに和紙のペンダント。床置きもできます。江戸~明治時代に作られたもの。和紙は外部でも使えるようにと現代的なワーロン紙に貼替。どの照明もそうなのですが、入手時はボロボロなのだそうです、、、それをひとつひとつ丁寧に店主の手で修復しているとのこと。このワーロンも店主が貼ったもの。曲面ですよね、、、これは結構な時間が掛かったそうです。凄くないですか。。。現在の店主は4代目。お店を切り盛りしていますが、職人さんでもあるのです。照明ひとつひとつに店主のメッセージが添えられており、読むとほっこりと和みます。足繫く通いたいお店です。