山長商店@紀州材産地見学会 その6 | 築紡|根來宏典

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2019年11月26日(火)

山長商店@紀州材産地見学会 その6

二日目、午後から向かったのは『山長商店』さん。到着するなり目に飛び込んでくる見事な製材たち。貯木場から運ばれた丸太は、皮を剥き、製材され、高温蒸気減圧乾燥させていきます。設備は導入するだけでなく、使いこなすことが大事。工場には目利きがいて、一本一本異なる木材の個性を選別し、適材適所に振り分けながら自然乾燥(養生)。乾燥後はモルダー(四面鉋盤)仕上げ。職人さんが一本一本割れや反りなどの不具合を検品していくそうです。そしてマイクロ波含水率測定器と動的ヤング係数測定器を使ってグレーディングを行い、出荷。プレカットに関しては大工さんを二人配備し、機械ではできない加工も、手刻みで小回り良く対応してくれます。

 

山長さんの特徴は、植林、森林育成、伐採、製材、強度検査、プレカットを一貫体制で行い、首都圏の工務店への供給体制が整っていること。この林産地と都市とを結ぶ生産・流通システムは先進的であり、その功績は大きい。

 

このシステムの構築には、様々な苦難の痕跡があるはず。そんな質問を榎本会長にぶつけてみました。田辺湾に輸入丸太が浮かぶ時代に始まり、やがて製材済みの木材が輸入、地元の製材業者は次々に廃業していったそうです。そんな中で活路を見出し、乗り越えて行く道程のお話には、感銘を受けました。木材に関する産地見学会ではありますが、榎本会長の人間力に習うことも大きい時間となりました。顔の見える人間関係って大切だと思います。