聴竹居 | 築紡|根來宏典

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2019年6月6日(木)

聴竹居

京都府乙訓郡大山崎町に建つ『聴竹居』。昭和3(1928)年に建てられた建築家・藤井厚二(1888-1938)の自邸。環境共生住宅を目指し、実験、検証、改善を加えつつ、5軒の自邸を建てています。1軒目は1917年神戸で。それ以降はここ大山崎で。2軒目1920年、3軒目1922年、4軒目1924年、そして5軒目として建てられた完成形がこの聴竹居。聴竹居以外は現存していないそうです。和様折衷、木造平屋建て。昭和の住宅として、初めて国の重要文化財に指定されています。

竹中工務店に6年間勤務後、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、スイスに9か月間の視察旅行。欧米文化、ライト、マッキントッシュ、ゼセッションの影響を感じさせます。椅子式ながら床の間や障子が設えられた客室、三面ガラス戸のパノラマ・サンルームとしての縁側、居室と緩やかに分節された食事室、機能的・清潔で明るい調理室、お子さんへ愛情あふれる読書室、各室に設えらた造付家具、これら諸空間を繋ぐ視線の抜けと風通し。ずっとそこに佇んでいたいと思える居心地のよい空間。