桂離宮に行ってきました。
桂離宮については、私ごときが解説することもありませんね。。。
特筆するとすれば『松琴亭』の青と白の奉書紙が貼り替えられたこと。
30年ごとに貼り替えているそうで、昨年貼り替えられたもの。
新調することによって違和感を生じるかと思いきや、しっくりと納まっていますね。と言いますか、モダンな市松模様ですので、その魅力がより惹き立っていると思います。メリハリと言いましょうか、陰影と言いましょうか、奥行きを感じます。
桂離宮の中で、私が一番好きな建築『月波楼』。冬の性格を持つ松琴亭に対し、こちらは秋の性格を持つ茶亭。化粧屋根裏の竹垂木を現した船底天井が特徴的。天井の構成を茶室の観点でいえば、正客の席は平天井、手前座は落天井、相伴者の席は掛込天井ですね。それは真・行・草であり、上・中・下の関係でもあります(必ずしもそうではない)。天井を張らないのは、悪く言えば安普請、良く言えば詫びた設え。こちらの亭の天井は全体が掛込天井の設えなのですが、とても丁寧に作られています。
住宅設計をする際、天井を現しにしたいとの要望が多いように思います。そういった意味でも、天井を現しているこちらの亭は、時代を先取りしたモダンな設えですね。中の間、口の間、一の間、膳組所といった4つの空間で構成されるのですが、それらの欄間が開放されており、ダイナミックに繋がっているのが印象的。