晴れの舞台を支える仕事 | 築紡|根來宏典

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2019年1月11日(金)

晴れの舞台を支える仕事

1月4日(金)現場を一通り確認し、施工会社に場所を移して打合せ。

 

仕上げのこと、納まりのこと、先手先手で攻めてくる優秀な現場監督。

私自身がダジタジ、、、18時までじっくりと、、、正月気分が吹っ飛びました。

 

こちらはプレカット工場に眠っている構造材。12月25日に加工されたもの。丁寧に梱包され、出荷を待っています。今回の目玉は、梁成270mm×長さ7mの紀州ヒノキ。県土の77%を森林が占める和歌山県。「紀州・木の国」と呼ばれ、良質な木材を生み出す木の産地。色合い、目合い、狂いが少なく、強度や耐久性に優れているのが特徴。紀州ヒノキの曲げヤング係数の分布は、全体の91.5%がE110以上なのですよ!わかる人には分かると思いますが、これは凄いこと。組み上がるのが楽しみ。

 

 

こちらは複雑な取り合いになる箇所のモックアップ(原寸サンプル)。木造は接合部の断面欠損が課題であり、それを補完するために考えたオリジナルの製作金物。金物の精度が良く、溶接代のあまりの美しさに感動。モックアップはプレカット屋さんの自主的なもの。そこまでする?と思う人もいるかもしれませんが、図面上のものが実際に製作可能か、現場で納められるか、もっと合理的かつ良くなる作り方はないか、意匠的な見え方は、等々、初めてのことは念入りに確認しておきたいもの。このようなプレカット屋さんと出会えたことは幸せなのです。

 

プレカットというと機械化されたイメージですが、手作業を併用しつつ、出来上がってみると隠れる部分でありますが、丁寧なモノづくりの精神と、その実態が垣間見えます。プレカットを担当された中谷リーダーが誇らしく解説してくれたのが印象的。

 

 

翌5日(土)は建主さんと打合せ。そして一緒に現場に。電気屋さんと足場職人が作業入り。電気屋さん曰く「なかなか難しい現場です」と。こういった言葉を聞くと私は安心します。技術的なことではなく、垂木を表しにしたり(天井裏がない)、逃げのない造作納まりを要求しているゆえ、後々配管の振り回しが利かなくなるという先読みできているんだと思います。地味な作業ですが、その丁寧さが伝わってきます。

 

足場は高所作業を安全に効率的に行うための仮設。最終的には解体されてしまうものですが、その組まれ方を見れば、その現場の良し悪しは覗えるもの。足場(鳶)職人さんは、私が尊敬する職種。人の命を守る技術と想像力が必要ですし、自身の身を守る運動神経も必要。また一人では組めない作業ゆえのチームワークも必要。凄くないですか!そんな足場にあがって、夕暮れ時の写真を撮らせてもらいました。