震災、戦災に耐え抜いた木造3階建て | 築紡|根來宏典

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2018年10月16日(火)

震災、戦災に耐え抜いた木造3階建て

文京区の根津には、下町の名残が色濃く残っていますね。

こちらは『はん亭』。大正6年(1917)、総ケヤキで建てられた木造三階建て。

 

戦後、建築基準法の成立により一時は建てられることがなくなった木造三階建て。

震災、戦災に耐え抜いたという意味でも貴重な存在です。

総ケヤキで作られていることからも普請道楽であったことでしょう。

ゆえに高い技術の作りであったことが状態良く残っている要因と思われます。

国の登録有形文化財にも指定されています。

 

元々は、下駄の爪皮屋(泥よけカバー)の店舗兼住宅。

その後、運送会社の独身寮を経て、現在は串揚げ屋さんとして活用されています。

2階、3階の窓からは、瓦葺き屋根越しにスカイツリーを望むことができます。

 

こちらは準防火地域なのですが、窓は木製建具、ガラスは透明。

現代は防火サッシの規制があるのですが、既存不適格の扱いなんでしょうね。

それ幸い、室内の雰囲気も良いですし、窓から望む景色にも趣があります。

 

隣には明治40年(1907)に建てられた土蔵。

元々は外蔵だったのですが、一体的にリノベーションし、現在は内蔵に。

その蔵の中でも食事をすることができます。

 

 

 

 

 

 

 

さてさてと、串揚げの方を舌鼓。

厳選された新鮮な素材を丁寧に揚げているそうです。

季節ものということで、別メニューのマツタケの串揚げも頂戴。

そのマツタケの分厚かったこと!

 

歴史ある建築、趣のある空間で、拘りの逸品を頂戴する。

なんとも幸せな時間を過ごさせて頂きました。