転じて素敵に素材に | 築紡|根來宏典

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2018年10月9日(火)

転じて素敵に素材に

ガーン、、、『つくばの曲り家』玄関の壁一面に張ろうとしていたタイルが完売。次回入荷予定なしと、、、建主さんお気に入りだったのに(涙)他のタイルを選び直そうとしたのですが、建主さん的にはどれもピンと来ない、、、

 

開口や下足入れの大きさ、スイッチの位置など、タイルの割付に合わせて決めてある。寸法が変則的なタイルだったので、その割付を重視すると、どのタイルを選んでも合わなくなる、、、いっそのこと、タイル以外の素材にしましょうか?と心機一転。いくつか考えられる候補の中で『和紙』という選択肢に。

 

とはいえ玄関ですので、汚れにくいものの方が良いですよね、、、

汚れにくい施しをしてある和紙もあります。もちろん天然系で。

 

提案したのは「漆和紙」「柿渋和紙」「彩色和紙」の3つ。

漆和紙は、楮紙に漆を塗ったもので、漆独特の透明感があります。

柿渋和紙は、楮紙に柿渋(柿油)をベースに松煙墨やベンガラを混ぜて塗ったもの。詫びた感じがします。

彩色和紙は、楮紙に膠(ニカワ)をベースに顔料を混ぜて塗ったもの。ハイカラな感じがします。

 

いずれもセレクトが難しい素材。一枚一枚に個性があるのです。

基材となる和紙のテクスチュアと、漆、柿渋、膠の溶け込み加減によって見た目にバラつきがあります。

それは塗った日や人によっても異なり、同じ色調に揃えたければ、同じロットを指定する必要があるのです。

小さなカットサンプルを見ているのと、大判で見るのとでも、その印象は大きく異なります。

 

上の写真は、気になるものを選んで、大判を広げてイメージを膨らませている様子です。

青山にシュールームがあるのですが、その故郷は「木曽」。木曽のお話は、コチラ≫

タイルの件は残念でしたが、それが転じて素敵な素材を使わせてもらうことになりました。

 

『つくばの曲り家』オープンハウスのお知らせは、コチラ≫