日本の伝統色に『秘色(ひそく)』という色があります。
焼物の青磁の肌の色を「青磁色(せいじいろ)」と言いますが、その神秘的な美しさから「秘色」と呼ばれるようになったそうです。また中国・唐の時代、王家以外は磁器青磁の使用を禁じられたことから秘色青磁と呼ばれるようになったとも言われます。日本では、平安時代の文献に「秘色」の名が散見されるのだとか。
その青磁色の寂びた(さびて灰みを含んだ)色が「錆青磁(さびせいじ)」。明治前期の日本の流行色でもあります。
『つくばの曲り家』の外壁は焼杉なのですが、
寂びていながらエッジを惹き立てることを目的に、水切りの色を「錆青磁」に。
軒先の唐草にも「錆青磁」を忍ばせてみました。
足場がそろそろ外れます。楽しみ。
平屋の伸びやかな水平ラインがより惹き立っていることと思います。