初夏の甘露庭 | 築紡|根來宏典

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2018年6月20日(水)

初夏の甘露庭

この時期、もうひとつ行ってみたかったところ、東山にある『霊源院』。

 

京都で最古の禅寺・建仁寺の塔頭寺院。

霊源院は、五山文学の最高峰寺院として位置づけられ、

鎌倉末期から室町時代に栄えたそうです。

 

しかし近年は荒廃。

それを新しい住職が伽藍や境内を再整備し、復興を遂げたのだそうです。

 

 

 

 

 

本堂より眺めることができる枯山水『甘露庭』。

400株もの甘茶の木が植わり、その青々とした花が咲き誇る季節。

甘茶は、ユキノシタ科に属するガクアジサイの変種。

お釈迦様の誕生を祝う行事に欠かせないのが、甘茶なのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

甘茶の葉っぱを摘み取り、蒸して、揉んで、乾燥させたもの。

これを煎じると、甘いお茶になるのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊源院には、二つの茶室があります。

こちらは、一畳台目の茶室『妙喜庵』。

点前に必要な道具畳、客が座る畳一枚で構成される極小の茶室。

 

京都府大山崎には同じ名前で妙喜庵という寺院がありますね。

そこには千利休作の国宝茶室『待庵』があり、

広さは同じですが、そちらは二畳隅炉。

 

一畳台目といえば、利休の孫・宗旦作の『今日庵』がありますね。

炉の位置、向板や風炉先窓があるという点では同じですが、

床の間があったり(今日庵は壁床)、躙口や茶道口の位置は異ります。

 

 

もうひとつの茶室『也足軒』、こちらは4畳半。

躙り口が本堂の床脇にあるというユニークな設え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかくなので、お庭を眺めつつ、甘茶を戴いてまいりました。

紅茶のようなお味ですが、砂糖など一切入っていない自然の甘み。