昨日はNPO法人「家づくりの会」が主催している家づくり学校の『特別構造ゼミ』。
1回目の講義から、早くも1か月が経ちました。受講生は全20名。実務で住宅設計をやっているもの、やっていないもの、構造に対する理解レベルの多様なメンバー。
1回目の講義で課題を渡され、いきなり「軸組模型を作ってくること!」という無茶ぶり、、、構造の技術以前に、模型をつくる技術があるのか???という心配をよそに、何とかなるものですね(笑)もちろん皆さん頑張ったことと思います。
本講義では、家づくりの会の工藤さんとワタクシメがサポートさせていただいているのですが、私たちも軸組模型を作っていき、参戦。1回目の講義ついては、コチラ≫
間取り、断面構成はみんな同じ課題。でも答えはひとつではありません。どのような軸組にしたいのか?ということが大切。それぞれに方向性が異なり、十人十色の模型が並びました。その多様性を見ているだけで、ワクワクします。
構造的に成り立っていない部分も多い(そのために学ぶ)のですが、
それを成り立たせるためにはどうすれば良いのか?
テーブルを皆で囲い、ディスカッション形式で講義は進みます。
柱を通すか、梁を通すか、、、なぜそれが大切なのか?を模型を使って分析。
紙面上では力の流れが読み取りにくいことも、模型の柱や梁を押してみると、
どこが弱いのか、強いのかが体感的に分かります。
地震力のこと、風圧のこと、、、より専門的な解説が必要なポイントは、
山辺構造設計事務所の馬場先生や櫻井先生も加わり、
図解でフォローしてくれるので、体感と合わせて力学的な原理も理解しやすい。
そうすると、軸組に対する力の流れが直感的に見えてきます。
すると足りない柱や梁が見えてくるのです。
また逆に、必要でない柱や梁も見えてきます。
要らない部位は、その場でハサミでチョキン、チョキン、、、
すると、あら不思議。すっきりして、本当に必要な力の流れが見えてくるのです。
柱や梁は多いに越したことはないと思っている人もいるかもしれませんが、
経済的合理性も必要ですし、開口部の開け方にも影響しますし、
伝わって欲しくない力の流れが生じることもあり、
多ければ多いほど良いということでもありません。
そしてそれらを知ることは、空間構成の自由度の幅が広がることになりますね。
自分が考えた軸組だけでなく、
他の人が考えた軸組に対しても一緒に考えることにより、
学び得ることの吸収力は数倍になり、応用力を培うことにも繋がります。
模型の裏に、スケッチを描く泉校長。
梁、母屋、垂木、野地板の構成といった実務的な話まで話は広がりつつ、
今回の授業では、外壁と屋根の検討まで。
来月(全8回の講義)は、耐力壁の検討に進みます。