魅せる都市景観の移り変わり | 築紡|根來宏典

築紡

築紡

loader
ブログ
ブログ

2018年4月19日(木)

魅せる都市景観の移り変わり

銀座、数寄屋橋交差点、最近の様子です。

 

銀座を知る人なら「あれ?」と思うかと、、、景色が一変しましたね。

交差点向こうの仮囲いをしているエリアは『ソニービル』が建っていた所です。

 

解体されたソニービルは、1966年竣工、芦原義信(1918-2003)の設計によるもの。

銀座のランドマークとなる優れたデザインとともに、一等地でありながら(否だからこそ)、敷地一杯に建物を建てるのではなく、交差点角にイベントスペースとして活用できる空地を設け、都市景観に寄与してきました。

芦原先生は「建築の外部空間に関する研究」で博士の学位を取られ、また多くの著書を残し、そういった意味でも日本の街並みに大きく貢献されてきた方であります。

 

この地は、今後、二つのステップを経て進化して行くそうです。

一つ目のステップ(2020年まで)は、地上レベルはフラットなPARKとして活用。その間、LOWER PARKとしての地下レベルを工事し、二つ目のステップ(-2022)に、UPPER PARKとしての新たなソニービルの工事を進めるようです。

 

これは、解体されたソニービル建設当初から続く公共スペースの在り方を拡大したもの。下層階、上層階ともに公共性の高い場所という意味のPARKというコンセプトを通底させるのだそうです。

なんだか楽しそうな都市開発で、ワクワクしますね。詳しくは、コチラ≫

 

さて、そのソニービルが解体されてお目見えしたのが『メゾン エルメス(2001年竣工)』。HERMESというブランドには、思い入れの強いファンも多いでしょうし、

我々建築家の中でも、このビルに思い入れ深い方も多いかと思います。

 

 

建物の設計は、イタリア人建築家のレンゾ・ピアノ(1937-)。完成した時は、衝撃と感動を受けたものです。

これまでは、細い長い敷地に建てられたスリットビルのような様相でしたが、その側面も含めた全貌が披露された訳です。

一般の方には、ピアノといっても御存知ないかもしれませんが、パリの『ポンピドーセンター(1977年竣工)』や、

日本の『関西国際空港(1994年竣工)』などの設計を手掛けられてきた巨匠です。ピアノのお話は、コチラ≫

 

新たなソニービルの完成までを楽しみつつ、しばらくの間は、エルメスの美しい輝きを拝めることになりました。

先人の意思を未来に継承かつ拡大させ、そのプロセスをも魅せるプロジェクト。新たな都市形成の在り方として期待が高まりました。