笑顔が出迎える @都市の隠れ家 その3 | 築紡|根來宏典

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2018年1月18日(木)

笑顔が出迎える @都市の隠れ家 その3

玄関を入って正面の風景。目の前にはキッチンがあります。奥さまは、お米屋さんの娘さん。そのお店を手伝っています。奥さま手づくりのおにぎりやお惣菜も置いている地域の人気店。そんな奥さまは、料理が大好き。美味しいものを作ることが何より幸せ。ゆくゆくは、ここで小料理屋さんでもやろうかと。本気なのか、冗談なのか、、、玄関を入ると、女将さんの笑顔が待っている。そんな構えです。

 

火気使用室に内装制限のかかる住宅です。今回の住宅はガスコンロですが、IHでも必要(一部の地域では規制緩和あり)。キッチンだけでなく、ダイニングやリビング、吹抜などもワンルームとして繋がっていれば、全て火気使用室として扱われます。つまり、それと繋がる空間の内装には木部を現すことができません。でも、こちらの住宅では現しています。ポイントはガスコンロ廻りに『垂れ壁』を設けていること。その垂れ壁によって、火気を使用する場所とその他の空間を区切っている訳です。

 

オープンキッチン(垂れ壁も設けず)を作りやすくするため、コンロ周りに不燃仕上げを徹底する緩和規制もあるのですが、コンロの火力が一口4.2Kw以下(一般的な住宅レベル)という与件があり、それ以上の火力を望む建主さんにはそぐいません。よって、LDKに空間的一体感を求める場合は、何かを諦めないとなりません。木部現しを諦めるとか、高火力を諦めるとか、キッチンを囲っちゃうとか、、、

 

こちらの建主さんは木部表しと超・高火力が絶対必要条件でしたので、垂れ壁を設けました。その垂れ壁による囲われ感が、かえってキッチン廻りの落ち着きを醸し出しているように思います。

 

垂れ壁を設けるにも、せっかくなのでデザインに活かしたいもの。外部と同じ焼杉を貼りました。キッチンカウンターの腰壁部分にも同じく焼杉を貼っています。炭を掻き落とし、黒く塗装したもの。焼杉を掻き落とすと、杢目が浮き出る「浮造り」となって美しい。写真では、その美しさがお伝えできませんね、、