自立循環型住宅 | 築紡|根來宏典

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2016年10月27日(木)

自立循環型住宅


昨日は『自立循環型住宅への設計ガイドライン』の講習会を受講してきました。

分かりやすく言うと、2010年頃の標準的な住宅と比較して、
エネルギー消費量50%削減を目指す住宅設計です。
これに太陽光発電を含めるとゼロエネルギー化が可能になります。

省エネルギー効果のある15の要素技術の手法として、
自然エネルギー活用技術
 01 自然風の利用・制御
 02 昼光利用
 03 太陽光発電
 04 日射熱の利用
 05 屋根空気集熱式ソーラーシステム
 06 太陽熱給湯
建物外皮の熱遮断技術
 07 断熱外皮計画
 08 日射遮蔽手法
省エネルギー設備技術
 09 暖冷房設備計画
 10 換気設備計画
 11 給湯設備計画
 12 照明設備計画
 13 高効率家電機器の導入
 14 コージェネレーションシステムの導入
 15 水と生ゴミの処理と効率的利用

通常この講習会は、年に2度ほど、120人ホールで開催されているようです。
それを今回は、NPO法人「家づくりの会」の有志が、講師資格を持つ松永潤一郎氏(パッシブ技術研究会代表世話人/マツナガ)を招き、少人数で聞くという贅沢な企画。
大人数になると、どうしても受動的になってしまいますが、
少人数企画ゆえ能動的で、みんな真剣そのもの。
問題意識、価値観を普段から共有している仲間同士なので、意見交換、議論も意義深い。

通常の講義は、10:00~17:00で行われるのですが、
内容が濃いだけに、そんなに耐力は持ちません、、、
ですので2回(2週間)に分けてお願いしました。これも贅沢な企画ですね。

この書籍(2015年8月発行)は、この講習会を受けないと入手できないのですが、
本当に良書だと思います。
これまで曖昧だった省エネに対する考えが、理論的、体系的に整理さております。
470ページほどある分厚い本ですが、決して難しいことは書いておりません。
普段から良質な住宅設計を心掛けている設計者なら、すっと入ってくる内容です。

ただ単に高気密・高断熱にしたり、高価な建材・設備機器を使うということではなく、
地域の気候特性、敷地の形状や隣接建物との位置関係、
住まい手の自然志向の強さや暑さ寒さに対する許容度、
といった立地条件と住まい方に応じた設計をすること。
ゆえに画一的な住宅設計ではなく、個別設計が大切になってくるかと思います。

私自身これまでの住宅設計では、省エネを強く意識しておりませんが、
それでも建主さんからは「明るいし、夏は涼しいし、冬は暖かい」と、よく耳にします。
ただ今回の講習会を拝聴して、まだまだ省エネは可能だと思った次第です。

根來宏典