紀州材・産地見学会 その8 山長の山と熊野古道 | 築紡|根來宏典

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2016年10月14日(金)

紀州材・産地見学会 その8 山長の山と熊野古道

我々が訪れる一週間前のこと、パンダの赤ちゃんが生まれました。これで南紀白浜アドベンチャーワールドには、現在8頭のジャイアントパンダが暮らしているそうです。パンダに会いたい気持ちを押しこらえ、延泊も勉強です。

 

訪れたのは山長商店さんが保有している山の見学。延泊した5人の建築家仲間が参加しました。清流が流れる美しい山々。もちろん飲める水です。

 

榎本長治社長とともに、山のことを解説してくれたのは、通称「まっちゃん」こと、松本富叔顧問。山長の山々を長年にわたり、守り育ててきた方です。まっちゃんが移動中も含め、とにかく一日シャベリ倒すという企画(笑)その解説がユニークで、わかりやすく、本当にためになりました。山肌を下るように散策しながら、山のこと、林業のこと、木のこと、製材のこと、、、山長さんの方には、別の山持の方から山を買って欲しいと依頼があるそうです。こちらは最近、買った山で、私設林道を切り開き、伐採現場を開拓している様子です。山の仕事のスケールの大きさを感じました。

 

午後も、まっちゃん解説のもと「熊野本宮大社」へ。「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも登録されていますね。そうそう簡単に来れる場所ではなく、ご利益も期待して、御祈祷をお願いしてきました。こちらの写真は、杉木立の中「熊野大権現」の奉納幟が立ち並ぶ158段の石段。

 

 

 

 

 

 

 

お参りの後は「瑞鳳殿」へ。設計は、インテグレーティッド・デザイン・アソシエイツ。5年前の紀伊半島大水害によって解体された旧瑞鳳殿ですが、2年前に再建。水害を教訓に、災害時の避難場所にも計画されているそうです。

 

最後に訪れたのは「世界遺産熊野本宮館」。設計は、香山壽夫建築研究所。八寸角(24㎝)の柱、長さは最大8m、地元産スギの無垢材は、見事でした。高樹齢の良質材が求められたそうです。

 

以上で、紀州材・産地見学会のお話は、お終いです。人との出会いに恵まれ、とても良い見学会となりました。木の国で採れる紀州材は、色艶・目合が良く、強度も優れています。熊野の神々に守られ、縁起も良かろうと思います。