続いて訪れたのは『山長商店』さん。
5000ヘクタールの自社林を有し、
植林から伐採、製材、プレカット加工、販売までの一貫生産体制が整っています。
その工場を榎本長治社長と榎本崇秀副社長がご案内下さいました。
良質な木材だけでなく乾燥技術の開発にも取り組み、高温蒸気式減圧乾燥機を導入。
減圧することにより、水の沸点を下げ、低い温度で乾燥ができるそうです。
低い温度で乾燥できるので、内部割れが少なくなり、材の色の変質も抑えられます。
山長さんの材は、職人さんが一本一本目視検査を行い、割れ、虫害、反りをチェック。
JASによる品質、食品同様に関心高まる産地が表示され、山長ブランドとして出荷。
ちなみに国産材で初めて横架材のJAS強度表示した会社でもあります。
豊富にストックされた平角たち。
これは凄すぎる。圧巻の迫力で、ため息がでました。
工場内を歩いていて、眼を疑う光景。
これが筋交いですか、、、美し過ぎる。
製材の時に生じる辺材。通常は垂木、筋交い、間柱、根太、胴縁、野縁といった羽柄材に使われますが、山長さんの材は良質な材なので、建具に使われるそうです。
建具というのは、反りの問題があるので、こういった目の通った材が必要なのです。
木材は、このように工場でプレカットされ、現場に搬送されます。
「プレカットの基本は、手加工にあり」とのこと。
プレカット工場に熟練の大工職人さんを配置し、複雑な加工にも対応可能だそうです。
プレカット図の作成と、プレカットマシンにCADデータを送るオペレーション室。
一緒に見学していた建築家仲間・Yさんが「あれ!これウチの図面じゃないですか!」と。
その図面をもとに、ちょうどCADデータの入力をしている最中だったようです(笑)
以上をもって、一泊二日の紀州材・産地見学会の行程は終了です。