紀州材・産地見学会 その4 伸栄木材と中辺路木材加工場 | 築紡|根來宏典

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2016年10月6日(木)

紀州材・産地見学会 その4 伸栄木材と中辺路木材加工場


2日目、まず訪れたのは製材・加工の『伸栄木材』さん。

細い木、太い木、真っ直ぐな木、曲がった木、、、色々な個性があります。
梁は、一般的には「ベイマツ」なのですが、伸栄木材さんでは「スギ」をお薦め。
このように曲がった木は、曲げ強度が強いので「太鼓梁」に使われるそうです。

仕入れた原木から皮を剥ぐ行程。
剥かれた皮は、木屑焚きボイラーの燃料として活用。
環境にも配慮されております。

平角ツインバンド生産システムという最新鋭の製材機。

ちょっと分かりずらいので、ズームアップ。
材の中心に赤いレーザー光線、梁のワイドに合わせて緑色のレーザー光線。
材を回転させて操縦士の目で中心を見極め、緑色のレーザー光線に沿って削ぎ落されます。

柱や梁を製材する際に削ぎ落された辺材も、もちろん活用されます。
白太は鴨居などの内装材として、赤身は外壁の板材などに。
適材適所、長年かけて育てられた良質な紀州材ですから。

構造材の品質には、乾燥工程が重要です。
現在5基の乾燥機を所有。そのうち2基は中温乾燥、3基は高温乾燥。
造作材や板材は中温、構造材は高温が適しているそうです。

グレーディング(木材の含水率、強度を測定して表示)の様子。
強度測定には、曲げ強度を計る方法と、打撃強度を計る方法があるそうです。
前者は手間が掛かり、後者は量産向き。ここの工場では前者です。

塚本専務が丁寧に工場を案内してくれました。
説明が分かりやすく、紀州材に対する熱い思いが伝わってくる内容でした。
まだまだ数少ないJAS認定工場にもなっています。

昼食は、伸栄木材さんの会議室をお借りしてお弁当タイム。
その前に『田辺市中辺路木材工場』より間伐桧台形集成材の解説。
利用価値の少ない間伐材の活用アイデア、紀州銘木としての新たな可能性を感じました。

紀州材は「強い」と言われますが、どれくらい強いかと言いますと、
きいちゃんと15人の建築家が載っても大丈夫。
「きいちゃん」とは、昨年開催された和歌山国体のマスコット。詳しくは、コチラ≫

キノイエセブン・バージョンでも撮影。キノイエセブンについては、コチラ≫
お決まりのジャーンプと行ったのですが、着地シーンはあまりにヒドイ、、、
ギリギリお見せできそうな着地前の写真(撮影:伊澤淳子)をアップしておきます。

根來宏典