紀州塗 黒江の街並み | 築紡|根來宏典

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2016年7月28日(木)

紀州塗 黒江の街並み

和歌山県は、漆器の産地でもあります。紀州は、会津(福島県)、山中塗・輪島(石川県)とともに日本漆器の三大産地。黒江という街が産地なので、黒江塗とも言います。その起源は室町時代と言われ、江戸時代には1200軒以上の漆器関係者が黒江周辺に住んでいたそうです。

 

その黒江の街並みがユニーク。土地の形状が平行四辺形の区割りなのです。そこに矩形の建物を建てると、道路との間には三角形の空き地が生まれますね。それが連続した街並みとなっているので「のこぎり歯状の街並み」と呼ばれます。その三角形の空き地には、植木鉢などが置かれています。漆を抽出する際に使われた樽を誇らしげに立てかけ、飾り棚にしているお店も多く、黒江の街並みの特徴になっています。道路に対しては、紀州連子格子が立ち並び、風情ある街並み。

 

 

国の有形登録文化財に指定されている築220年の町屋があったり、町屋を改装したお店が点在し、お茶や食事もできます。名物は黒江カレー。和歌山県は山椒の産地でもあり、全国の8割を占めます。その山椒と竹炭を練り込んだ黒いカレーなのですが、これ本当に美味しいですよ。

 

漆器問屋は、お店と住まいが併設し、中庭を挟んで裏には土蔵が基本的な構成。そんな蔵を活かした漆器店もあったりして、個性も豊か。歴史を感じる建物と建物の間には、防火を目的に張り出した袖壁「うだつ」もあり。江戸時代には、富裕な家しか上げられなかったものですね。

 

レンガ造りの建物は、大正13年頃に作られた漆の精製場。それまでは蔵の中で精製されていたそうですが、近代化に伴い、洋風のレンガ造りを採用したとのこと。創作根来体験できるところもありますよ。