石の産地を訪れ、その現代的活かし方を考えるべく建築事例の見学です。
訪れたのは、那須にある二期倶楽部。
1986年に6室のオーベルジュとして始まったリゾートホテル。
周囲の自然と混然一体となった建築、世界中から多くの思想家や芸術家が訪れます。
味わい深い年月を積み重ね、今では41室のゲストルームを備えています。
タイミングよく(清掃中につき)、
ゲストルームの内部も拝見することができました。
こちらもタイミングよく(清掃中につき)、大浴場も拝見することができました。
もちろん宿泊しないと、立ち入ることはできない場所。
床には、芦野石が敷き詰められています。
外壁は、ツル目を施された大谷石。目地は、漆喰を蒲鉾型に盛ったなまこ壁。
ツル目は、つるはしで斜めに筋模様を付けた仕上げ方なのですが、
物凄く手間が掛かるので、現在では、なかなか頼めるものではありません。
床には芦野石がふんだんに使われ、その使われ方が秀逸。
それぞれが力強い存在感を持ちつつ、相互にその魅力を惹き出しあっています。
二期倶楽部の設計は、故・渡辺明さん(1938-2010)。
私の大学の先輩にあたる方なのですが、お会いしたことはありません。こちらの二期倶楽部を訪れるのは、私自身3回目。何度来ても学び得ることは、沢山あります。
石というと、硬くて冷たい素材と思われがちですが、それぞれが素朴でありながら温かみを感じる自然素材です。その素材の魅力を惹き出すには、職人さんの存在は不可欠。やはり、手づくりの痕跡が残った建築は良いものですね。
年月の積み重ねとともに魅力を増す建築、そんな建築を私も目指したいと思います。