石の産地を訪れる その2 芦野石 | 築紡|根來宏典

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2016年6月16日(木)

石の産地を訪れる その2 芦野石

続いて『芦野石』の採掘場。深岩石と同様、露天掘りです。採掘のサイズや方法は、深岩石と同じ。違いは、石の比重。つまり硬さと重さに関係。その分、ノコの減りが早く、運搬も一苦労。それに乗じて値段も高くなります。芦野石は、少し吸水率が高い。大理石や御影石などは、湿気の多い所では表面に汗をかくのですが、芦野石なら湿気を吸ってくれたりもします。現場には、色々な表情を持つ石が転がっています。表面研磨された芦野石。硬い石でありながら、軟らかな風合いを感じます。

石をスライスする際、通常は丸鋸を使うのですが、チェーンで挽く場合もあります。そのチェーンの挽き目をそのまま仕上げとして活かすのも面白い。石の自然な風合いを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真ん中の少し黒っぽい石は、白河石の黒目。超高級品です。芦野石と白河石は、福島県天栄村のある羽鳥湖近くで起こった噴火により生成された石。栃木県那須で採れると芦野石、福島県白河で採れると白河石。基本的には同じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、未だ地面に埋まっている芦野石の寅目。黄色い寅模様を帯びており、めったに産出されません。市場に出回らず、希少価値が高い。同じ芦野石でも、色が違ったり、産地の違いで名前が変わったり、価値が変わったり、仕上げによって表情が変わったり、、、自然素材ならではの、奥深さと楽しみ方があると思います。

 

芦野石の採掘場は、最盛期には30社程あったのですが、現在は7社だそうです。こちらの採掘場にも何度か足を運んでおります。2年前に来たときは、8社と仰っていたのですが、、、1社閉じちゃったのですね。国産石材の需要が減っているので、仕方ありませんね(涙)

 

こちらの山で採れた芦野石(寅目)チェーンの挽きの設計事例は、コチラ≫