第7期家づくり学校4年生最終発表会&合同修了式 | 築紡|根來宏典

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2016年2月15日(月)

第7期家づくり学校4年生最終発表会&合同修了式


昨日は、NPO法人「家づくりの会」が主催している第7期家づくり学校4年生の最終発表会。

課題は、29坪の土地に、2700万円(税、設計料、外構費別)で、
夫婦(50歳+45歳)+子供(16歳)+母親(75歳)のための住宅を設計すること。

いわゆる大学の卒業設計とは異なり、リアルさが求められます。
デザインだけでは、ダメです。でも空間性、空間の持つ意味や力は、必要です。
プランニング、耐震、温熱環境、素材、耐久性、可変性、ディテール、外構、街並み、経済性、、、それら全てを基本的なこととして抑えねば、リアルな提案はできません。
特に今年の課題は、母が同居するとあって、バリアフリー性も強く要求されます。

今年の4年生進級者は、7人。
1年生は座学、2年生は素材や技術の探訪、3年生は幅広い知見を広げる演習。4年生はスタジオ制で、半田雅俊スタジオ、川口通正スタジオ、本間至スタジオに分かれています。
皆さん、働きながら、この学校に4年間通い、集大成として、この課題をまとめ上げました。
各スタジオ講師のアトリエ事務所に通い、スタジオ講師の持つ住宅設計の神髄が伝授されます。それは、師匠と弟子との関係、そのものです。

発表会には、講師陣はもちろんのこと、1年生~3年生、OB、OG達も参加できます。
人の発表を聞くことは、とても勉強になるし、刺激になるし、
講師たち多角的な質疑や意見が飛び交い、多様な価値観に気づく場でもあります。

課題は全員共通なのですが、提案の内容はそれぞれ個性的であり、感心できる点も多い。
ただ、それを多様性という言葉で終わらせないのが、この家づくり学校の凄さ。
課題は事前の提出が求められ、各講師は熟読して発表会に臨んでいるので質疑もリアル。
さらに講師の本間さんより、7人全員の面積構成や工事費が比較表として提示され、
現実を突きつけられました。

全体の面積に対して、LDKの占める割合は、、、家事コーナーやパソコンコーナーなどのプラスアルファ要因、個室、サニタリー、玄関、廊下、、、
いかに無駄をなくし、機能的で快適な空間としてプランニングできるか。
それぞれの提案で、どういう関係性になっているかの分析が大切。

予算に納まっている人もいれば、はるかにオーバーしている人もいる。
そこには、単に延床面積だけでなく、吹抜、テラス、ロフトとの関係は、、、
付属の外構、植栽、塀などとの関係は、、、
これら全て踏まえて予算計画を立てねばなりません。

自分の提案と他者の提案との違いを分析、把握することによって、
自身の改善点もリアルに感じとることができます。

という発表会に聞き入る学生たちの真剣度は凄い。
受講生は、住宅設計が上手になりたい、住宅設計で飯を食いたい、
住宅設計で生き残りたいとの思いで集まってきている面々。
私も毎年参加しているのですが、本当に得ることの多い場です。

そんな時間と空間と共有し、
最終発表会の後は、各学年の合同修了式に流れ込み、楽しい時間を過ごすのでした。

全員が4年生まで進むわけではありません。
仕事、建築士資格受験、産休・育休など、学生個人の状況は様々。みんな社会人ですから。
休学や復学もOKで、目的に応じた各学年ごとの修学システムをとっています。
だから合同修了式なのです。1年生~4年生みんなに進捗に応じた修了証書が手渡されます。

家づくり学校は、講師陣も各学年も、OBもOGも垣根を越えて、みんな仲が良い。
情報交換をはじめ、課外授業、見学会、卒業旅行など、学年を超えた交流も活発です。
みんな家づくりが、もっともっと上手になりたい向上心を持った仲間なのです。

第8期の準備の様子は、コチラ≫
来期の受講生募集は、コチラ≫でお知らせする予定です。
要チェック。しばしお待ちくださいませ。本当に楽しく、充実した学校ですよ!

根來宏典