家づくり学校3年生 プラン(後半) | 築紡|根來宏典

築紡

築紡

loader
ブログ
ブログ

2015年9月7日(月)

家づくり学校3年生 プラン(後半)


昨日9月6日(日)は、家づくり学校3年生の授業、本間至による『プラン』でした。

講義と課題提出の前半と、その講評会の後半との2回1組の授業で、今回はその後半。
本間さんから与えられた課題は、二つ。

一つは、フランク・ロイド・ライトのポープ邸、
ルイス・カーンのフッシャー邸、エシェリック邸、コーマン邸
吉村順三の田園調布の家、山中湖の山荘、久我山の家、青山の家、代々木の家、
といった名作のプランを読み解くこと。

建築雑誌などを見ていると、どうしても写真に目が行ってしまいます。
また解説文を読むことによって、受け身になってしまいます。
そのことによって、自身の力でプランを読み解くことが御座なりになり、
目に入ってくる情報だけで、自分の評価軸が持てない人が多いのではないか、、、
写真や解説文なしでも、プランに込められた設計者の意図をどれだけ解読できるか、、、
それを習慣づけて欲しいという、本間さんからの意図です。

学生達それぞれが前に出て、自分なりのプラン解読を発表します。
動線であったり、ゾーニングであったり、パブリックとプライバシーであったり、、、
解読の軸はそれぞれで、他者と自分の解読の仕方の違いに新しい発見があったり、、、
とても有意義な発表会であったと思います。

もう一つは、本間さんが実際に建てた住宅の土地にプランを考えてくること。
狭い土地に2階建ての住宅と、広い土地に平屋建ての住宅の2つ。
それぞれに家族構成と要望は、もちろん提示して。

同じく、学生それぞれが前に出て、自分が考えてきたプランを発表します。
それに対し、本間さんが一つ一つ丁寧にアドバイスしていきます。

一般的には、狭い土地は難しく、広い土地は何でもアリと思われているかと思います。
発表を聞いていて私が感じたのは、狭い方の土地はそれなりにプランが纏まっているのですが、広い方の土地はイマヒトツ、、、

その理由は、いくつかあるかと思いますが、
狭い土地は、諦めざるを得ないことも多く、
必要諸室を落とし込めば、それなりのプランは作れます。
それに対し広い土地は、諦めることは少なく、プランニングの可能性は広がります。
その広がりに対し、自身のプランニングにおける軸がない人は、
プランのアンバランスさや、迷いに繋がっているのではないか?と思いました。
本間さんの言葉を借りるなら「構成美」というやつです。

全員の発表が終わった後、本間さんが実際に作ったプランの実例も発表されます。
一同、感嘆、、、ため息が出るほど、美しい!!!
自分たちが考えたプランのモヤモヤしたところが、見事に解決されておりました。

本間さんから学生たちへの最後のメッセージ。
実務において「自分が住みたいか?」「言い訳のないプランか?」
そのことを考えて、自信を持って、施主にプレゼンして欲しいと。

次回3年生の授業は、泉幸甫による『形態』です。
これまでの家づくり学校の報告は、コチラ≫

根來宏典