京橋アトリエ・リノベ フローリング | 築紡|根來宏典

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2015年6月19日(金)

京橋アトリエ・リノベ フローリング

工事中の『京橋アトリエ』の床板。厚板幅広の杉。なんと厚さ30mm、幅220mmもあります。30mmという厚さは驚くほどでもないのですが、幅は180mmが一般的です。幅220mmmは凄い!

 

ここで使っているのは、徳島県の相生地区の杉。生産者のこだわりが強く、樹齢60年以上(一般的には40年)の原木を伐採し、「葉枯らし乾燥」してから製材しているとのこと。葉枯らし乾燥とは、山で原木を伐採した後、その場に枝葉を残したまま放置し、生材に含まれている水分を葉っぱから蒸散させる乾燥方法のことをいいます。古くから行われてきた方法ですが、生産性の問題から近年は少なくなったそうです。とはいえ乾燥によって軽くなった分、運搬コスト軽減、CO2削減という見方もあり、製材後の収縮や割れ、狂いが少なくなり、色つやが非常に良くなるといったメリットもあり、その効果が見直されてきているようでもあります。

 

木材の品質は、乾燥が最も大切。葉枯らし乾燥3~4か月⇒製材後、天然乾燥3か月⇒人工乾燥1週間掛けたフローリング。こういった乾燥技術の積み重ねが、厚さ30mm、幅220mmといったフローリングを実現させることに繋がっています。見た目の迫力はもちろん、しっかりした踏み心地で快適。これでマンションならではの遮音フローリング特有のフワフワ感もなくなります。工事においては、既存のフローリングの上に重ね張りしています。既存を撤去すると産廃を発生することになりますし、費用も掛かってしまいます。またマンション規約として、フローリング張替は遮音等級LL45以上と定められています。その性能を担保し、杉は柔らかい素材ですので、さらに防音性能を向上させています。

 

時とともに味わい深い飴色になる素材。時間の経過が楽しみです。