土佐の木 その4 池川木材工業 | 築紡|根來宏典

築紡

築紡

loader
ブログ
ブログ

2013年10月30日(水)

土佐の木 その4 池川木材工業


森林現場の後に訪れたのは、仁淀川町にある『池川木材工業』。

まずは第二工場から見学。
美しい山々に囲まれた工場で、整理整頓も行き届いております。
こちらの工場では主に、フローリングなどの平板を取り扱っております。

御自慢の木材乾燥室。私もこれまで色々な乾燥機を見てきましたが、トップクラスの大きさです。

コンピューターでリアルタイムに管理、記録されております。
大原社長自らが丁寧に説明してくれます。
「詳しくは社員に」ではなく、自らが会社のこと、木材のこと、技術のことを
理解していないと出来ませんね。

特徴は、大きさやコンピューター管理だけでなく、『木質バイオマス木材乾燥システム』であること。
こちらの乾燥室の熱源となるボイラーに使われているのは、バーク(樹皮)。
バークは熱源としての効率が悪いので、あまり使われません。
ただこちらの会社では「木は捨てるところがない」の精神で、効率が悪くても拘って使うそうです。

ヒノキのスノコを作っている現場。全国30%のシェアを占めているのだとか。
全国のホームセンターに出荷されているそうです。

昼食を挟み、第一工場へ。こちらは、大きな『回転プレス機』。

ヒノキやスギは、幅が狭いので、幅広の板材は取れませんよね。
この回転プレス機で、圧密接着(積層)したの幅広の平板を『幅ハギ材』と言います。

さらに第三工場へ。柱や梁材を製材する工場で、大きな丸太が転がっております。

積み上げられた個性的な梁材。
この梁、格好いいな~と眺めていたら、この材は、黒味が多く、商品価値が低いのだとか。
土佐材は、美しいピンクサーモンの赤みが特徴。
ピンクサーモンも美しいですが、黒いのも美しいと思いますよ。

こちらの会社のもう一つの特徴は、山から木材を伐採・搬出から製材・加工、出荷までを、
一貫して自社で行っていること。これは意外に珍しいことなんです。
その利点としては、経費を押さえること、量産加工ができることなどありますが、
何と言っても産地がハッキリしていることでしょう。

根來宏典