土佐の木 その3 森林現場 | 築紡|根來宏典

築紡

築紡

loader
ブログ
ブログ

2013年10月29日(火)

土佐の木 その3 森林現場


2日目早朝出発、バスに揺られること2時間弱。我々は、森林現場に立ちました。

茂みをドンドン、中に入っていきます。

目的地に到着。見上げると、スッと伸びたスギの木。

足元は整頓され、歩行しやすく整備されているのかと思いきや、
残念ながら、これは未整備のスギ林だそうです・・・。
枝は細く、放っておいても、勝手に折れて落ちてきます。

整備されたスギ林とは、このような林を言います。

違い、分かりますかね???まず、スギの太さが全然違いますね。
そして、足元まで太陽の光が行き届いて植生が豊かなのです。
枝もシッカリ成長するので、枝打ちも小マメにしないといけません。

こちらは、その境界。その違いが一目瞭然ですね。
写真の左側は、50歳の木。右側は40~50歳の木。
あまり変わらない年齢ですが、こんなに太さが違います。
なぜ境界が、こんなにハッキリと分かれているかというと、所有者が違うのです。

現地の方に、色々と説明を受けてきました。
間伐をしないと、良質な木は育ちません。
育たないだけでなく、根っこが張らず、保水力は低下し、山崩れの原因にもなります。
豊かな森林とは、植生だけでなく、野生鳥獣も住める山です。

高知の山の現状は、30%が手入れされており、残り70%は手つかずなのだとか。
できれば100%にしたい。ただ、山の所有の問題で、そうも簡単には行かない。
民有地は、所有者が二代、三代と引き継ぎ、その主に有りつけないし、
有りつけても理解を得るのが難しいのです。

日本には、戦後、植樹された人工林が沢山あります。
外産材に押され、国産材が余っております。
この美しい日本の山々を、日本の林業・産業を守るために、日本の木を沢山使いたいものです。

根來宏典