足元には苔。お庭づくり同様、盆栽でも足元の演出は重要です。基本は『ホソバオキナゴケ(写真右側の苔)』で丘をつくり、サビ色の細かな化粧砂で水辺を演出。
ホソバオキナゴケ(細葉翁苔)は、葉が細く、湿り気があると緑濃い色ですが、乾燥してくると翁の白髪のように白っぽくなることが、名前の由来。普段『アラハシラガゴケ(粗葉白髪苔)』という苔を使うことが多いのですが、ホソバオキナゴケも「シラガゴケ科シラガゴケ属」。どちらも『ヤマゴケ(山苔)』とも言われます。
一部に『スナゴケ(写真左側の苔)』も貼り、植生の多様性を表現。こちらの苔は、少し高級です。スナゴケ(砂苔)は、乾燥時は茎葉体が閉じ、保水すると広げて美しい緑色となります。乾燥に強く、暑さ、寒さにも強い。日当たりの良い場所でも育つので、近年、屋上緑化でも使われる苔です。
化粧砂の上に紅葉したアカバメギの落ち葉が一枚。風情がありますね。