皆さま、夏休みは如何過ごされましたか?私は、高野山に行ってきました。
高野山といえば、世界遺産、空海、霊場、建築的には二つの国宝、、、
などが挙げられますが、今回の私の目的は『庭』。
なんと重森三玲(1896年-1975)が作った庭が、
7寺院・12庭も残っているのです。それらを巡ってきました。
年代順で紹介します。重森三玲については、コチラ≫
高野山で最初に作られたのが、西禅院(さいぜんいん)の庭。
こちらでは、3つの庭を作っています。
上の写真は、西禅院の入り口。気持ち高まります。
まずは1951年作庭の池庭。既存の池庭を改修した庭です。
手前が下流、奥に進むに従って上流・渓谷へと。
魅力は龍門瀑(りゅうもんばく)。滝を上ろうとする鯉魚石(りぎょせき)。
下流から上ってきた鯉が滝を登り、竜へと化す「登龍門伝説」を石組で表したもの。
池には赤い金魚が放たれております。
鯉魚石と一緒に滝を登ろうとしている姿が風流です。
同じく1951年作庭の枯流れ。こちらも改修です。
裏山にあたる岩盤が迫る奥行きの狭い枯山水の庭。
特徴的なのは、向かい合って配置された2組の三尊石組。
三尊石組は、三尊仏のように真中に背の高い主石、
その両脇に低い添石を配置した石組。
枯山水に掛けられた大きな石橋は存在感があり、
近づいて見ると向こう岸のアイストップにも石組が配置されております。
雁行した縁側の角度に沿うように石橋は掛けられ、建築との一体感があります。
さらに1953年にもう一つ、茶庭の露地を兼ねた枯山水を作庭しています。
茶室を新築するにあたって、庭も新たに作ったもの。
和歌山を故郷とする松下幸之助も愛した庭だそうです。
写真右手前が、腰掛待合。その奥が茶室。
雲海に浮かぶ峰々の景色を抽象的に表した高野山のイメージだそうです。
地元・和歌山の青石を存分に用いており、石組は10群もあります。
蹲踞。手水鉢の背後正面に鏡石を立てるのが重森流。
高野山の景色を望みながら手を清めます。
蹲踞を照らす織部灯篭は重森好み。