ブータン伝統住居 | 築紡|根來宏典

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2012年7月26日(木)

ブータン伝統住居


昨日は、日本建築学会の農村建築専門研究委員会の活動。

学会が入っている建築会館にはギャラリーが併設されており、
ブータン「現地報告およびコミュニティ集合体等の提案」展示会が開催中でした。

上の写真は、その展示会の様子。
千葉工業大学建築都市環境学科ブータン伝統住居・集落実測調査団が主催。
ブータン王国建設省と共同で、ブータン伝統住居・集落の実測調査研究の成果を展示。
2009年に西部地域、2010年に中部地域、2011年に東部地域を現地調査したそうです。

A.その実測図の展示と、その分析を踏まえたB.コミュニティを生み出す集住体の提案、
さらにはc.集落の保存計画、D.21世紀コンパクトモデル住居の提案といった内容。
特に中国の客家集合(円楼)、ボルネオ島のロングハウス、日本の漁村集落、江戸の長屋、
ギリシャエーゲ海の集落、アフリカの円形集落を参考にした
実験プロジェクトの提案は興味深かった。

こちらは、その展示会の案内。
7月23日には、月尾嘉男氏、浅井治彦氏、山崎亮氏を招いてのシンポジウムが開催。
10月には、ブータンの首都ティンプーにて、ブータン建設省共催のシンポジウムも開催とか。

実測調査の成果は、こちらの書籍に収められております。書籍については、コチラ≫
現在、西部編と中部編が発刊。まもなく、東部編も発刊されるそうです。
中には、ブータン王国皇后陛下やブータン建設省大臣からの謝辞も収められております。

この調査の始まりは、2008年に千葉工業大学教授・古市徹雄先生が
JICAによるブータンでの講演会が発端。
展示会場で受付をしていた古市研究室の大学院生の方に、展示内容の説明を戴きました。
古市先生は、私の師匠(事務所OB)です。
その分、この成果をまとめ上げた学生たちの苦労が分かります。
話を聞いていると、調査、分析、提案、発表へと至った達成感と自信に満ち溢れておりました。

それにしても、日本の政府では、考えられないことを実行してますね。ブータンにバンザイ!
今回のプロジェクトに関わった千葉工業大学の学生たちにバンザイ!
今回の提案は、日本の震災復興計画にも活かされれば良いのにと思いました。

根來宏典