信州の木 その3 征矢野建材 | 築紡|根來宏典

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2012年6月20日(水)

信州の木 その3 征矢野建材


伊那市から北上し、続いて訪れたのは松本市と塩尻市に工場を構える『征矢野建材』。
こちらは、アカマツを中心とした製材工場です。

一般的に、梁=ベイマツと考えられております。
これはベイマツが最も適しているからですが、次にお勧めなのがアカマツ。
なぜなら、ヤング係数は若干下がりますが、
基準強度、長期許容応力度、短期許容応力度は変わらないからです。
ヒノキやスギは、ヤング係数、基準強度、長期許容応力度、短期許容応力度が下がります。
これらの特徴を知っていれば、アカマツ、ヒノキ、スギだって使えるのです。
ベイマツは合理的ですが、それぞれの木の強度に合わせて設計すれば良いのですから。

アカマツ材の乾燥場の様子。

『重ね梁』という技術。木の芯材を中心に、上下には辺材を貼り合わせた梁。
芯材というのは、強度は強くなく、辺材は強い。また辺材は腐りにも強い。
梁材の上下に重ね梁することで、梁せいが大きくなり、全体としての強度が増すのです。

集成材に比べ、積層が少なく、見た目は1本の無垢に見えて違和感がない。
もちろん見た目や印象は、重ね梁しない一本ものの方が良いのですが、
大きな梁が欲しい場合は、太い丸太が必要になるので、コストに影響しますね。

『圧密』という独自技術を用いた自慢のアカマツのフローリング。
熱による収縮が少なく、床暖房に対応できます。密度が高く、傷が付きにくいのも特徴です。

裏地に細工を施した遮音フローリングなんてのもありました。

根來宏典