植木 深大寺 その1 中木 | 築紡|根來宏典

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2012年6月11日(月)

植木 深大寺 その1 中木


6月9日(土)は、家づくり学校2年生の授業『植木』で、深大寺に行ってきました。

まずは泉校長より、建築家としての植木の見方などを指南していただきます。
「僕の建築は、植木がないと、みすぼらしい」と言います。
言葉の捉え方は人それぞれですが、植木は建築にとって重要な要素だということです。
植木に関する、より専門的なことは植木屋さんに教えてもらいます。
泉校長より紹介戴いたのは、佐伯造園の佐伯さん。30年来の付き合いだそうです。

今回の引率講師は、村田淳先生。
村田先生は若手建築家ですが、すでに熟練の貫禄がある実力派設計者ですね。
そう思わせるのは、村田先生が特に植木や外構設計に熟達しているからだと思います。

熟練建築家と若手建築家との両サイドの声を聞くことは、とても重要なことだと思います。
若い設計者にとっては、当然、理想と現実とがあって、
それは自身の立ち位置や時代性などにも関係し、
その中で自立し、自分の設計スタイルを確立すること。最終目標ではなく、継起的に。
頭で考えることと、実践することの違いを肌で感じること。
それが、この家づくり学校の良さだと思うのです。

さて、植木畑の中に、足を踏み入れます。当日は、あいにくの雨。
ただ植木を見るには、これくらいの雨模様に方が、木々が活き活きとして良いのです。
植木畑は、植木の入荷と出荷の繰り返しなので、足元は固まっていない。長靴は必需品です。

植木畑には、沢山の木々が植わっております。まずは中木を見て回ることに。
この辺りは、人気の高い『ヒメシャラ』ですね。

こちらは『カツラ』。美大(吉村順三)系の方々が、よく植えるそうです。
葉っぱが、ハートの形をしており綺麗です。

ジューンベリー。

ミツバツツジ。

ヤマモミジ。

ハウチワカエデ、イロハモミジ、ヤマボウシ、ミルキーウェイ、アオハダ、シマトネリコ、、、、
沢山見てきました。覚えきれません、、、

植木には『一本もの』と『株立ち』とがあります。
最近は、「一本もの」の立派な植木よりも、雑木林のような「株立ち」が人気あります。
「株立ち」というと、地表から複数本の木が生えている木々のことですが、
これにも「本株立ち」と「寄せ株立ち」があります。
寄せ株立ちは、複数の木々が寄せ集まった木で、厳密にいうと株立ちではありません。
本株立ちを見て、切株が見えるのが好きでない方もいるのですが、実は高級なのです。
当然ですよね。一本を切株しながら、複数の幹を育てるので。手間が掛かってるのです。

下の写真のように、切株がはっきり見えている株立ちを「台付き」と言います。
本株立ちも、株の部分が地表に隠れているのと、現れているものがあり、台付きは希少です。

出荷を待つ植木達。植木屋さんと話していると、「根っこが出来ている」という言葉を聞きます。
聞流してしまいそうなフレーズですが、この「根切り」「根回し」は植木にとって重要です。
根っこには、木を支える大きな根と、水を吸い上げる『ヒゲ根』があります。
ヒゲ根が出来ていないと、新しく植えかえても、枯れてしまうのです。

午前の部、終了です。

根來宏典