伊丹潤展 手の痕跡 | 築紡|根來宏典

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2012年5月1日(火)

伊丹潤展 手の痕跡

『伊丹潤展 手の痕跡』に行ってきました。

 

伊丹潤(1937-2011)は、私の憧れでした。大学2年の時、図書館で手にした作品集の感動を今でも覚えています。まだ手書きの時代。そのドローイングの美しさ。

 

大学に入ったばかりの頃、図面を書くのは好きではありませんでした。キレイな線を描く練習、コピー課題。当然、ツマラナイ、、、

それよりも模型やパースの表現力に目が向いていました。それは、図面は単なる線情報、2次元情報と思っていたからです。

 

 

そんな私の図面に対するイメージを、その作品集は一転させました。そして衝動に駆られ、真似もしました。
立体感はもちろんのこと、光と影、建築の奥深さや静粛さ。ドローイングを重ね、体を使い、思考を働かせること。
テクニックの話ではありません。テクニックだけでは、決して静粛な空間は造り出せない。
そして自分が作り出す空間に未熟さを感じ、また力が湧いてくるのです。

 

伊丹潤展は、乃木坂にあるギャラリー間で開催されております(4月17日〜6月23日)。詳しくは、コチラ≫

 

上の写真は、ギャラリー間の屋上。3階と4階とを繋ぐ中庭です。
私は、この一度外に出て、上の階に上がる空間構成が好きです。もちろん外に出る時、雨天は傘が必要です。
細い階段とブリッジに恐怖感を抱く人もいるでしょう。

上下の展示空間の結節となる場。そこは、伊丹潤の研ぎ澄まされた空気感が漂っていました。