大江戸左官祭り その4 | 築紡|根來宏典

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2012年4月20日(金)

大江戸左官祭り その4


今回の左官講習会で公開された技術や感性を評価し、いくつかの賞が与えられます。

結果報告。上の写真は『久住章賞』。金沢の赤壁と群青壁。
正直、私には、何が素晴らしいのか分かりません・・・。ムラなく、綺麗なのは分かります。
久住さんの好評では、下塗りが一番綺麗だったと。なるほどです。

『植田俊彦賞』。紅一点、女性左官職人さんです。
横でピンボケしているオジサンが、私も敬愛する植田さん。いつも笑顔です。
私が朝会場に着くと、まず植田さんにご挨拶。
「おー、よう来てくれはった、おもろいもん見せたるわ」って、
こちらの職人さんの所に連れて行かれました。
その時点で決まっていたのですね(笑)確かに私から見ても、その時点から輝いていました。

『小沼充賞』。う〜ん、どうで賞、、、
小沼さんは、ずっと会場の床掃除をしてました。とても謙虚な方です。
仲間内からは、掃除のオジサンと呼ばれてました。でも本当に凄い人なんですよ。
植田さんと小沼さんの紹介は、コチラ≫

『松木憲司賞』。色の付いたガラス骨材で表現した景色。
本人曰く、「近くで見ず、離れた所から見てくれ」と、納得していない様子です。
制作プロセスを拝見する限り、とても難しい技術にチャレンジしていることが分かります。

『挟土秀平賞』。土佐磨き。
こちらの職人さんは、朝から、ず〜とコテで抑えておりました。根気のいる技です。
コテで抑える度、表面が緻密になり、水が引いて、輝きが増すのが分かります。
写真では分かりづらくて申し訳ないのですが、ピッカピカに輝いております。

『山本忠和賞』。
本人は、賞を貰えるなんて思ってもいなかったようで、感激しておりました。

『関忠賞』。

『富沢建材賞』。富沢建材さんの紹介は、コチラ≫

『スギタ工業賞』。

『アイシオール賞』。

私のお気に入りは、こちら。熊本から来られた古川豊浩さん。
『加村義信賞』『梶原製作所賞』『田川産業賞』の、なんとトリプル受賞です。
黒の大津磨きに雲母を散らして、あとは感性のまま石で模様を描いていきます。
こちらの方も、朝から輝いておりました。

全体的な感想として凄いと思ったのは、昼食を取らずに没頭していた方が多かった。
そして、賞を付けられても、最後まで手を止めず、作業を続けていたことです。
賞なんて関係なく、最後まで、納得が行くまで、作品を完成させたかったのでしょう。

そして親方たちの評価は、最後の表面的な仕上げではなく、
下地段階や、取り組む姿勢からチャンと見ていたということです。

受賞者には、親方たちから、実際に使用している鏝などが送られました。
ちなみに久住章賞は、1992年桂離宮の大阪土切り返し仕上げに使用された鏝だそうです。

これにて、大江戸左官祭りの紹介はお終い。来年は金沢で開催されるそうです。
根來宏典