建築士定期講習 | 築紡|根來宏典

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2012年3月21日(水)

建築士定期講習


昨日は『建築士定期講習』で、一日(9:30〜17:30)缶詰でした。

半年ほど前に『管理建築士講習』の話をしました。詳しくは、コチラ≫
管理建築士講習は、建築士事務所を管理し、技術的な総括をする立場にあり、
建築士として3年の実務経験を経た後、管理建築士講習を受講・修了して、
はじめて管理建築士となることが出来る制度。

建築士定期講習は、建築士事務所に所属する建築士には、定期講習の受講が義務付けられ、
設計・監理業務に必要となる資質、能力の向上のため、
3年ごとに新しい建築関係法規や建築技術の動向、職業倫理などを研修、習得する制度。

どちらも構造計算書偽装事件に端を発する制度です。
講義の初めは、相変わらず「建築士に対する国民の信頼喪失」というフレーズから。
知識・技術向上という意味では、意義ある講習だと思うのですが、
冒頭の話を聞くのがシンドイ。構造計算書偽装事件の本質は、そこじゃありません。

講義の中で、講師の先生が強調しておりましたが、
設計監理と工事管理の違いを明確にすることです。
しかし日本の建設業界(ゼネコン、工務店、ハウスメーカーなど)は、
設計施工が一体のシステムです。

講師の先生曰く、一体のように見えるが、実際は建築士事務所と施工部に分かれている。
なのでOKなのだとか・・・。
ではなく、事務書類的には分かれているが、実際は一体なのでは。
そもそも施主自身も、ひとつの会社に頼んでいると思っていますよね。
このことは、建築士法を事務的な存在にするのではなく、
実質的有効な存在にするための根本的な問題です。

建築士を、建設システムの下位的存在ではなく、施主と建築士との直接関係に。
建築士の職能を発揮できる社会環境を整えることが最重要課題です。

根來宏典