11月12日(土)は、家づくり学校2年生第5回目『古材、再生素材』の授業でした。
訪れたのは、房総半島のド真ん中、
首都圏最大規模の管理型産業廃棄物最終処分場『君津環境整備センター』。
まず初めに、産業廃棄物の行く末を見るのが目的です。
上の写真は、廃棄物を埋め立てている様子。
処分場といってもガラクタが転がっている訳ではありません。
受け入れ品目は、燃え殻、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、
繊維物性残さ、ゴミくず、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、
煤じん、処分するために処理したもの。
基本的には砕かれたものが集まってくるので、殺風景でした。
こちらは第一期工事の模型。埋立容量は107万㎥、最大埋立高低差は40m。
山を切り開き、地形を利用し、
埋め立てた後は、土で覆い、植栽し、新たな森として自然に還すそうです。
そこで大切なのが、雨水処理。
埋立地の底面には、最新技術を駆使した遮水構造の層を作っているそうです。
上から遮光性不織布、上層遮水シート、中間不織布、漏水検知システム(導電性マット)、
下層遮水シート、自己修復性マット、下層不織布。
ポイントは、2重の遮水シートに、漏水感知のモニタリング、穴が開いても自己修復するマットです。
埋立地を増やすための第二期工事の現場を見学することも出来ました。
こちらの埋立容量は93万㎥、最大埋立高低差は51.5mだそうです。
遮水構造の層を敷いている様子が分かります。
水下では、遮水構造の層上を流れてきた浸出水の処理施設があります。
浸出水原水と浸出水処理水。
今回の見学会では、ゲスト講師として東京大学名誉教授・安井至先生が同行して下さいました。
日本や世界の環境問題に対して、政府レベルの発言力のある方です。
先生とお話していて感じたのは、物を作るのと同じだけ、廃棄も考えなければいけない。
日本は物づくり大国と言われますが、廃棄物の視点は欠けている。
そもそも処分場がどこにあるか知っている住民も少ない。
我々建築家が出来ることは、資材のリサイクル、建物の長寿命化、
そして自然に還る建材選びと言ったところでしょうか。
こちらの処分場は、長い歳月による環境負荷のモニタリングは必要(未知数)ですが、
情報公開と地域住民との共生という意味では評価できる施設でした。