五感を楽しませる空間 @対岳荘 その5 | 築紡|根來宏典

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2011年9月28日(水)

五感を楽しませる空間 @対岳荘 その5

和室に入って、奥からの見返しの様子です。

 

右手の収納扉もデザインしました。
建主さんの好きな『青』を基調とし、シルバーとの市松模様でモダンな仕立てに。
小さなドットを配した曲線は、敷地の麓に流れる利根川の流れを模しております。
右手奥の扉は、和室の入り口。同様でデザインを揃えました。

 

床の間は、床框、床板、床柱、落とし掛けを備えた『本床』
床框・床板は漆黒の『漆』。床柱は天然磨き丸太(杉)の無塗装。
落とし掛けは見付をスッキリ見せる『刃掛け(はっかけ)』加工。
床の間の背面壁は、収納扉の『青』と色合わせした特注色の珪藻土。

 

 

床は『琉球畳』。イ草の香り(臭覚)と、その肌触り(触覚)に癒されます。
天井は、落着きと高級感漂う神代色の『網代天井』。編み方は、特注の『亀甲模様』。
壁は、空間の『しつらえ』を引き立たせる白い塗り壁『珪藻土』。
照明は、天井には設けず間接照明のみ。神々しい神代色の網代天井を活かすためです。

 

赤城山の景色を眺め(視覚)、利根川のせせらぎに耳を傾け(聴覚)、美味しいお茶を味わう(味覚)。
まさに人間の五感を楽しませる空間です。
六畳ほどの和室(客間)ですが、高級旅館の和室を思わせる少し贅沢な造りとしました。