栃木の石 その2 二期倶楽部 | 築紡|根來宏典

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2011年5月18日(水)

栃木の石 その2 二期倶楽部

続いて向かったのは那須にある『二期倶楽部』。

 

駐車場から本館へと繋がるアプローチの床。敷き詰められたピンコロ石。
目地は大きく深い。ハイヒールで歩くことはお勧め出来ませんが、
目地にはコケも生え、何とも趣のある風情ではありませんか。

 

そして待ちに待った『二期倶楽部』の本館『にき倶楽部1986』のオーベルジュ。見事な建築です。床は、先に採掘場見学した『芦野石』。壁は、この後採掘場見学に行く『大谷石』。両者の目地割り取り合いも完璧です、というのは当然のこと。採掘する際の原石サイズが同じだからです。これは原石の切り出しサイズを知っていなければ、出来ない合理的な目地割りの術とも言えます。

 

 

内部に入って、隅々まで見せて頂きました。
幅木やコンセントの納まり。石の厚みを上手く活かした重厚感あるディテールです。
大谷石の表面に斜めの筋が入っています。
聞く所よると、職人さんが一本一本、彫ったそうです。気の遠くなる作業・・・。
これが『二期倶楽部』ならではの、大谷石の魅力を惹き出しております。

 

内部と外部とを繫ぐ建具の靴刷りも『芦野石』の削り出し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別に浴室も見せてもらいました。床には『芦野石』。水に強くてコンクリートとの付着が良い『芦野石』ならではの使い方です。

 

今回は『芦野石』と『大谷石』に絞って説明しましたが、『二期倶楽部』は本当に素晴らしい建築です。木や鉄の使い方など、勉強になる数々のディテール。学ぶ所が多くて時間が足りません。今度は改めて宿泊し、ご報告したいと思います。

 

『二期倶楽部』の設計は、家づくり学校の泉校長や川口副校長とも交友深く、昨年末に亡くなった故・渡辺明氏。私と同じ大学の大先輩です。本人のお話を聞くことは、もう出来ませんが、しっかりと勉強し、受け継がせて頂きます。