深大寺 | 築紡|根來宏典

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2009年5月1日(金)

深大寺


深大寺は、緑や湧水が豊富で美しい街ですね。

植木畑が多い街だけあって、街並みや、店構え、路地などへの植木の設えが素晴らしい。
植木選びだけでなく、その植え方や演出方法など、お庭づくりの参考が盛り沢山。

さて、植木畑のお話しです。ご案内下さったのは、佐伯造園の佐伯さん。
植木を見るには、梅雨時がお薦め。雨模様に方が、木々が活き活きとして良いのです。
植木畑は、植木の入荷と出荷の繰り返しなので、足元は固まっていない。長靴は必需品。

植木畑には、沢山の木々が植わっております。まずは中木を見て回ることに。
この辺りは、人気の高い『ヒメシャラ』ですね。

こちらは『カツラ』。美大(吉村順三)系の方々が、よく植えるそうです。
葉っぱが、ハートの形をしており綺麗です。

ジューンベリー。

ミツバツツジ。

ヤマモミジ。

ハウチワカエデ、イロハモミジ、ヤマボウシ、ミルキーウェイ、アオハダ、シマトネリコ、、、、沢山見てきました。覚えきれません、、、

植木には『一本もの』と『株立ち』とがあります。
最近は、「一本もの」の立派な植木よりも、雑木林のような「株立ち」が人気あります。
「株立ち」というと、地表から複数本の木が生えている木々のことですが、
これにも「本株立ち」と「寄せ株立ち」があります。
寄せ株立ちは、複数の木々が寄せ集まった木で、厳密にいうと株立ちではありません。
本株立ちを見て、切株が見えるのが好きでない方もいるのですが、実は高級なのです。
当然ですよね。一本を切株しながら、複数の幹を育てるので。手間が掛かってるのです。

下の写真のように、切株がはっきり見えている株立ちを「台付き」と言います。
本株立ちも、株の部分が地表に隠れているものと、現れているものがあり、
台付きは希少です。

出荷を待つ植木達。植木屋さんと話していると「根っこが出来ている」という言葉を聞きます。聞流してしまいそうなフレーズですが、「根切り」「根回し」は植木にとって重要。
根っこには、木を支える大きな根と、水を吸い上げる『ヒゲ根』があります。
ヒゲ根が出来ていないと、新しく植えかえても、枯れてしまうのです。

続いて、下草と低木のお話し。植木を植えれば素敵な庭が出来る訳ではありませんね。
それらを演出する下草と低木は、とても重要なアイテムです。こちらは『玉竜』。

こちらは『オカメヅタ』。
玉竜やオカメヅタなどは、とても強い品種で、
これらを足元に植えておくと雑草が生えないのも魅力です。

高木も植わっておりますが、一般住宅では、あまり使いませんね。
それにしても立派です。

畑内を歩いていると、ある木に目に留まりました。素敵ではありませんかっ!
植木屋さんに「これ何て言う木?」って聞いたら、植木屋さんも知らないと。
う〜ん知りたい。誰か教えて〜。
自分の足で植木畑を歩くと、こんな発見もあって楽しいのです。

深大寺に、長年に渡り、土壌の研究を重ねている方がいます。
植木の生産・卸業を営む『曼珠苑』の親方・内田清市さん。
お邪魔したのは、曼珠苑が所有する茅葺き屋根の民家。築120​年の元養蚕小屋だそうです。
アルミサッシなどに変えることなく、趣は昔のまま残っております。

親方は、その傍らNPO法人藪会(樹勢回復研究会)の会長も務めております。
樹勢回復には、土壌改良の良否がその成否を決めるといっても過言ではないそうです。
藪会については、コチラ≫

親方は、日本だけでなく、世界各国の泥(土壌)を集め、
樹性とpH(酸性・アルカリ性)や塩分濃度との関係を調査しているそうです。

木々が茂っている土壌はpH5前後が多く、植栽には望ましいのだそうです。
これらは、樹種や立地などによっても異なります。
屋久島はpH4.4とか、海辺はアルカリが強く『松』が適してるとか。

講義の後には、朝採れの無農薬きゅうりを出してくれました。
ご馳走様でした。とても美味しかったです。
植木は酸性土壌、野菜はアルカリ土壌、性質は正反対だそうです。

お蕎麦屋さんが多く、全制覇したいな〜と思います。
深大寺地域観光マップは、コチラ≫

根來宏典