大河内山荘庭園 | 築紡|根來宏典

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2019年7月24日(水)

大河内山荘庭園

京都嵐山の人気スポット「竹林の小径」その先。坂道を上がった所にあるのが『大河内山荘庭園』。竹林散策した人たちは、その坂を上らずに引き返していくのですが、その先には喧騒離れた静かな世界が広がっています。時代劇の名優・大河内傳次郎(1898-1962)が30年掛けて作り上げた広さ6000坪の回遊式借景庭園。別荘として建てられた大乗閣(1941)は、寝殿造、書院造、数寄屋造、民家を融合させた普請。寝殿と書院は檜皮葺、茶室は桟瓦葺に杮葺きの庇、民家は茅葺。茶室は如庵(国宝)の写し。大乗閣を手掛けた数寄屋師・笛吹嘉一郎は、如庵が京都から地方に移築される際に関与していた関係で、完璧な写しとなっています。如庵のお話は、コチラ≫

眼下には嵐山の街並みや保津川の清流、遠くは比叡山を望むロケーション。赤松に囲まれた持仏堂(1931)は浄土の空間。滴水庵(1932)は滴水禅師ゆかりの茶室を譲り受けたもの。そこへと至るアプローチの演出に心躍ります。霊峰連なる峰々に神秘さを感じつつ、回遊する露地に設えられた数々の石にも感銘を受けて参りました。