根來宏典建築研究所

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2019年5月20日(月)

プライスレス

珍しい引手金物を入手しました。

 

一つは、香炉の形をした鋳物。中には「長命富貴」の文字が入った縁起物。この引手は「知る人ぞ知る」ものですが、それほど珍しいものでもありません。京都のアンティークショップや、お金を出せば新調も手に入ります。何が珍しいかというと、黒い色付け前の真鍮素地のままであること。たぶん実用例はないかと思います。

 

もう一つは、角引手。伝統的な引手金物は真鍮や銅で作られ、その上に色付けされます。黒色、素銅色、宣徳色、銀艶色などが、よく見られますね。これら色付けも伝統的な技法によるもので美しいのですが、真鍮と銅の素地の美しさに魅せられ、この二つの素材を組み合わせた引手を特別に拵えてもらいました。

 

 

こちらは東日本に一件、全国でも六件しかない伝統的な手づくりを続けている引手金物屋さん。昨年、親方がお亡くなりになり、お弟子さんがその意思を継いでいます。私の印象としては、親方より丁寧な仕事をしてくれます。

 

経年美化による古び具合いも美しい。どちらの方が高価かと言いますと、角引手。シンプルな形状ではありますが、伝統的な職人技が詰まっています。鋳物は、型を作れば量産できるというのも理由。鋳物仕事はここでは出来ないので外注。ただその外注先も連絡が取れなくなってしまったそうです。。。益々、希少価値が高まるかもしれません。プライスレス!