根來宏典建築研究所

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2019年2月19日(火)

真鍮金物の工芸品

昨日、建具金物屋さんのお話をしましたが、もう一つ。神田に本社を構えるベスト。

 

その地下にあるショールーム。訪れた目的は、コチラの「引き寄せ締り」。引違い戸、片引き戸の框を引き寄せて、施錠する金物。あまり見かけない金物かもしれませんが、分かり易くいうとクレセント(窓締)。アルミサッシに普通に付いてるアレです。クレセントは施錠のみが目的ですが、こちらの金物は枠を引き寄せて締め付ける機構のため、遮風や遮音に優れています。木製建具は、アルミサッシや近年の樹脂サッシに比べて気密が劣るため重宝する金物。

 

アポなしで訪れたのですが、あまり人が来ないのか、、、あまり売れる製品ではないでしょうし、、、丁寧かつ熱心に、そして嬉しそうに説明してくれました。

 

 

建築家・吉村順三(1908-1997)からの提案を具現化した製品。アルミサッシの普及は時代的なものですが、当時の木製建具においては、金物にも職人の技術が詰まっておりました。その金物がクアリタシリーズとして今も残っております。クアリタとは、イタリア語で品質を意味し、真鍮金物の工芸品と呼ぶに相応しく、使い込む程に味わいが深まる製品のシリーズ。展示品は黒ですが、真鍮(黄銅磨き)もあります。

 

金物が枠の中に埋め込まれているので、出っ張りがなく見た目がスッキリしています。また鍵の位置が分かりにくいので、防犯的にも効果があります。今回使う住宅では、猫ちゃん3匹飼っています。先日打合せの際中、その内の一匹が現在のお住まいのアルミサッシのクレセントに手を伸ばして、開けようとしていました。この金物でしたら、そんな猫ちゃんがいても大丈夫。