針葉樹と広葉樹のデッキの違い | 築紡|根來宏典

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2019年1月30日(水)

針葉樹と広葉樹のデッキの違い

上野公園の中にある国立科学博物館(地球館)の屋上にあるスカイデッキ。

 

目的はウッドデッキの見学。ここのところ炭化処理した無垢のスギ(針葉樹)を使っております。国産材であること、薬品を一切使っていない(塗装もしない)こと、防腐・防虫に優れ、反り・伸縮・歪みが少なく、ヤニ・アクが生じない、埋もれ木(神代)のような色・質感といったことがメリットとして挙げられます。

 

デメリットは柔らかいこと。それは肌触りが良い、温かみがあるということなのですが、傷が付きやすいという裏返しでもありますね。『紀州の家』で使うデッキ材、建主さんは傷が付きにくい方が良いとのこと。そこで選んだのが、同じ技術で炭化処理したタモ(広葉樹)。はじめて使う材なので、経年変化の様子を観察することに。

 

 

こちらの屋上は、施行後3年ほど経過した様子。陽の当たるところ、当たらないところ、雨の当たるところ、当たらないところ、、、経年変化の様子をじっくり観察。今回の設計では庇のある縁側に使うので、もちろん条件は良くなります。

 

私が気にしていたのは2点。ひとつは硬い木(広葉樹)は割れやすいこと。特にビス廻り。目を凝らして見て回りました。もちろん割れはあるのですが、目くじらを立てるような割れはなく一安心。周りからは変な人と思われていたかと思いますが(笑)

 

もうひとつは一枚当たりの長さ。スギだと4mの長物が揃えられるのですが、これも広葉樹の特徴で手に入りません。180、90、45㎝のランダムで現場に納品。それは私的には気にならなかったのですが、ビスが増えることが気になる。角度により光って見え、その多さと無秩序さがより気になるのです。割れる箇所も増えますし。

 

もちろん対応策は検討済み。デッキ小口を溝堀加工し、目透かしに仕込んだ金物に引っ掛ける納まり。デッキにビスは打ちません。