根來宏典建築研究所

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2018年12月5日(水)

佳水園を俯瞰して見る@京都

京都東山の高台に佇むウェスティン都ホテルにも行ってきました。

 

目的は別館『佳水園(1959年竣工)』を見ること。

建築家・村野藤吾(1891-1984)の設計による現代数寄屋です。

しか~し、、、2020年春までリニューアル工事中とのこと(涙)

 

残念と思って肩を落としていたのですが、佳水園を鳥瞰できる場所を発見!

敷地の高低差を巧みに活かし、薄い庇が連なる様相が美しい。

建築はアイレベルで見るものだと思うのですが、

その美しさを作り出している構成を俯瞰して見れたことはラッキーでした。

普通に見学できていたら、こんなアングルで見る機会はなかったかもしれません。

 

 

1世紀以上の歴史あるホテル。見どころは他にも沢山あります。

ホテル全体も村野藤吾の設計。文化的価値の高い二つの近代庭園もあります。

 

一つはこちらの写真・葵殿庭園。大正14-15年、小川治兵衛(植治)による作庭。

南斜面に広がる三段の滝で構成された池泉回遊式庭園で、

琵琶湖疎水の水が使われた水量豊かな構成。

 

もう一つは佳水園庭園。今回はリニューアル工事中で見れませんでしたが、

葵殿庭園の南斜面の上に広がっています。
昭和8-9年、小川治兵衛の長男・小川保太郎(白楊)による作庭。

白楊は、石造品や石の扱いにおいては父・植治を凌ぐ技量を持っていたそうです。

 

 

この階段、美しい!

立上りは御影石の小叩きで縁取り、踏面は石の小端立て洗い出し、

回り部分は放射状に敷き詰め、放射軸部分には景石を添えております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、彫刻家・井上武吉が作った「哲学の庭」。ゆったりとした中庭に、

モダンな水盤、水路、滝で構成された立体的な造形。

 

銀閣寺から南禅寺へと続く「哲学の径」。

ホテルは南禅寺の南に位置し、こちらのお庭は、

哲学の径をしめくくる「無」の世界を作り出しているのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

古都京都を一望できるロケーション。

北側には南禅寺界隈や琵琶湖疎水・蹴上インクラインの景色が広がっています。

 

南禅寺界隈は、元は南禅寺の土地。明治新政府が召し上げた後、大部分が民間に払い下げ。明治から昭和初期にかけて財閥や政財界の方々がステータスを競って建てた別荘郡。今も15の広大な別荘が残っているそうです。

東山の景観と琵琶湖疎水の水を活かした庭園の多くは、植治が手掛けています。

 

これら別荘の門は固く閉じられており、中を見ることはできません。

見ることができたとしても、見たことを人には言ってはいけない場所なのです。

この先に広がる未知の世界に思いを馳せてきました。