山林と土場@木材その1 | 築紡|根來宏典

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2018年11月20日(火)

山林と土場@木材その1

11月17日(土)家づくり学校2年生の6回目『木材』の授業がありました。

行き先は神奈川県小田原市、引率講師は古川泰司先生になります。

 

木材を深く知るため、まずは山へと登ります。旧小田原藩の藩有林を受け継ぐ山。

山主さんであり、林業家である辻村さんの声に耳を傾けます。

下草が生い茂り、管理の行き届いた美しい山林。

戦後に植えられた木は切り時ですし、樹齢300年クラスの大木まで植わっています。

 

 

 

 

 

 

台風の影響で、荒々しさ残るところもありますが、それが自然の姿であり、

山を管理する上での自然と対峙する様相を垣間見ることができました。

 

水量の豊富さが、この山の特徴。

水源となる湧水を見ることが出来、美味しい水を戴くことができるのです。

 

こちらの山に植わっている樹々は、スギ対ヒノキが7対3。

スギは水が豊富に必要なので水脈に近いところ、ヒノキは尾根側に植わっています。

 

 

 

 

 

こちらは、樹齢280年の切株。

小田原城内に位置する報徳二宮神社の参道入り口に大鳥居があります。

昨年、88年ぶりに新たに建立されたそうですが、そこで用いられた柱の切株。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは大正6年に作られた水力発電の遺構。水の豊富さを物語る痕跡です。

ゴミを取り除く調整池。戦時、金属類は盗まれ、石組だけが残っています。

その石組にはヒビが入っておらず、保存状態が良い。

江戸時代の石垣を組む技術が、ここでも活かされているのだと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山を散策していると、このような景色にも出くわします。

木の根っこが露わになった姿。生命の力強さを感じる場面。

根っこにも、自身を支える根っこ、水を吸い上げる根っこといった役割があり、

そういった姿を学ぶことができる貴重な光景なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辻村さんの山では「フォレストアドベンチャー」といって、

森林の中を空中散歩できる自然共生体験施設も展開しており、

自分の行動と安全を自分で管理し、守る能力を身に着けることができます。

ハーネス(安全ベルト)を装着し、樹から樹へと空中移動する姿は、

スリリングであり、微笑ましくもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

次に訪れたのは『森林組合』の土場。

辻村さんの山林のような山々から切り出された丸太が集まってくる場所。

その丸太を製材所の方々が買い付けにくる場所であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スギとヒノキの皮の違いを説明している様子。もちろん葉っぱにも違いがあります。

基本的なことではありますが、机上で仕事している設計者にとっては新鮮なこと。

スギとヒノキの違いを知らない人も多いので、念のため。